くろねこさんの藍色の瞳
黒猫さんとマックに行った。
後輩なのに、2つも歳がちがうのに、
彼女の空間に呑まれて、
僕は小さな声でずっと喋った。
彼女は、僕の言葉で笑ってくれて
僕の言葉を褒めてくれた。
ずっとなにかを求めてきた僕の心の疲れを
彼女が優しく慰めてくれた。
黒猫の笑顔は不思議で、せつなかった。
藍色の瞳が、僕をからかうように見つめていた。
僕は眼を反らして、将来を見た。
不安だらけですぐに目を反らした。
夜道の花は頭を垂れて、
彼女に向かって静かにおじぎしていた。
バス停で彼女を見送った。
「恋人っている?」
彼女は、そのバスの行先に戸惑っていて
スマホで確認した後、急いでバスに乗り込んだ。
『さっきはなんていったんですか?』
『忘れちゃった笑』
僕は嘘をついた。
君は魔女のほうきに乗って空を飛ぶ黒猫。
僕は地面に座ってぼんやりみてる。
いつか、僕も翼を手に入れて、
君に追いつくことができたら。
僕は薄汚い猫だけど、
きっと翼をつくるんだ。