彼の生きるしるし
中学生の頃以来、会うことのなかった幼馴染に久々に会って飲んできました。
数年ぶりに会う友だちは想像以上な、イカした外見をしておりました。
肌は焼けて、ピチピチの黒Tにダメージジーンズ。
筋肉美が、個室居酒屋の薄暗く照らす灯で、妖艶に際立っていました。
そして左腕には、鮮やかな入れ墨が肘あたりまで描かれておりました。
彼は小学生のころ、バスケに没頭していました。
僕は彼の個人練習に、よく付き添いました。
いま思えば、
その頃、他の人間関係で感情を失われるほどボロボロだった僕にとって
彼とのバスケの時間は、恐怖も不安もなにかもかもを忘れられる時間でした。
その彼が目の前でアイコスを吸いながら、
沈黙の間に煙を吐き出していました。
そしてお酒を飲みながら話せば話すほど、
過去の彼とは、良くも悪くも違うところがたくさん見えました。
もし彼と、もともと知り合っていなかったら、
僕は正直、彼を一生関わることのない人として
避けて通りすぎていたと思います。
でもいまは彼の左腕の入れ墨が、逞しく、美しく思えます。
人は実際にあって話さなければわからない。
そう感じさせてもらった今日の夜でした。
飲みすぎて頭痛。バファリンを服用。